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 睡蓮きっての優秀なオメガは2人揃うと思考が危うい所へ飛んでしまう。  噴水の前で花がうーんうーんと考え込んでる姿は、他のオメガから見れば  とても美しく、華やかな光景に映ってしまうから訳が悪い。  思考がとんでもなくバカであることを誰も教えてはくれないのだ。  「私さ、将軍がインポでもいいけどさ、商売だけは許してほしいのよね。」  もうこの2人の中では将軍はインポ説が確定してしまったようだ。  若干憐みの感情が言葉の中に滲み始めていた  「そうだね、例えインポでも将軍として国を守ってくれるなら僕たちはそのお手伝い   はしなくちゃならないよね。」  花がこうやって会話しているときは、誰も近づいてきたりはしない。  この睡蓮を代表するオメガなのだ、自分達にはわからない高貴な話をしているのだろう  と、他のオメガは勝手に想像している。  まさか、将軍インポ説でこんなにも深刻な顔になっているなどと誰も思わない。    「とにかく、明後日、将軍様に会うんだから、インポでも笑顔は忘れないように   しなきゃいけないわね。あと、あんた舞をしなきゃならないでしょ?」  「あ、そうだった。直ぐに準備にとりかからなきゃならないね。」  芙蓉も木蓮もこの時誓ったのだ・・・  ヒエラルキートップの将軍がインポで可哀想な方なのだから、せめて明後日は  そのことを忘れられるくらい、素敵な1日にして差し上げようと。  この2人は自分達が将軍に選ばれるかもしれないなどと微塵も思っていなかった。  むしろ、選ばれたくないと思っているのだった。
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