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キスって、こんなに気持ち良かったんだ…。 芙蓉は口内に入ってくる明慶の分厚い舌の感触に 身体の奥深くから沸き上がってくる不思議な感覚を覚えていた。 初めて重ねる他人の唇…もっと不快感があると思っていたのに。 緊張で震える芙蓉の身体を明慶は優しく受け止めてくれていた。 キスってもっと厭らしくて、卑猥なイメージしかなかった芙蓉だが 明慶とのキスは温かくて、心地よいものだと知った。 「…んっ、ンンッ…。」 自分の鼻にかかった甘えたような声に芙蓉自身戸惑ってしまう。 こんな声が自分から出るなんてなんてはしたないんだろう…と、急に恥ずかしくなってしまう。 明慶は芙蓉のむずがるような、愛らしい反応に抑え込んでいた自分の欲が溢れそうになるのを必死に止める努力をする。 しかし、明慶も立派な成人男性である。どんなに理性を総動員させたとしてもこんなに可愛らしい反応を見せられてしまったらどうにもならない。 明慶は芙蓉をゆっくりと押し倒していく、芙蓉自身も今から何が起こるかなんて分かっていた。 ーーーーーわかっているのだが、何分初めての経験であるため怖くて仕方なかった。 頭の中では木蓮と共に必死に勉強したお床の事情が巡ってくる。 睡蓮で2人は毎日、毎日欠かさずお床事情を調べていた、自分達にもめぐってくることなのだからと、知識は万端にしておかなければならない。
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