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真絹は目の前でうふふ、うふふと花のように話し合う2人にコッソリと耳打ちする。 「さあ、2人とも、早速出番が来ましたよ?」 真絹の言葉に2人ともきょとんとするだけで、意味がさっぱり分からない様だ そりゃそうだろう、まさか自分達の事でにらみ合いが始まっているなどと普通なら考えられない。 「わたしたちの夫は、幾分普通の人とはズレている所があります。とても  優秀だからこそ、何となくズレちゃうんだと思うんだよね・・・。  そこは妻として夫を正してあげなきゃならない、いいね?」 真絹の先輩妻からの言葉は、新妻にとってはありがたく重みのある言葉だ 真絹の視線を辿っていけばそこには男3人がにらみ合いをしているではないか 芙蓉も木蓮もさっきまであんなに和やかに話していたのに何故?という思いで頭の中がいっぱいになってしまう。 「理屈で通る様な、簡単で単純な人間ではないんですよ。わたしたちの夫は  いいかい?物凄くくだらない事でこうなっていると思うんだ・・・。  けれど、彼らにとっては譲れないものなんだと思うよ、でも原因は  知りたくないなぁ。」 真絹はそう言いながらお腹を撫で始めた。 なれているのであろう、うんざりしたような、でもちょっと笑っているような表情を浮かべていた。 そして意を決したようにキリっとした顔に戻すと、ズンズンと3人に向かって歩いていく。 芙蓉たちも慌ててその後に付いて行った。
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