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俺の妻は怒った顔がまた堪らない! 竜聖がよく言っていた言葉だ、初めて聞いた時はコイツはいかれているんじゃないかと思っていたが、今ならわかる。 いいっ!めっちゃいいじゃないかっ!! 柳ヶ瀬は木蓮の凛々しい佇まいと、周りの空気を一瞬にしてピンと張らせる声に身もだえていた。 可憐な顔立ちからは想像もできない程の鋭い目つき、恥じらう様な雰囲気を身に纏いながらも、主に対する無礼は一切許さないといった氷の様な態度。 どれをとっても柳ヶ瀬をゾクゾクさせるものだった。 明慶様も芙蓉様も、木蓮の怒気を含んだ声に驚きをかくせないようだったから声を掛け、落ち着くよう言ったのだが。 本当ならその鋭い視線のままこの場を収めて欲しいと思ったほどだ。 ――自分は竜聖と同じく危ない性格なのかも知れないが、いいものはいいのだから仕方がない。 いつもは大人しく夫や上司の側で佇んではいても、いざとなったら自分達よりも度胸があり、根性もあるのかもしれない。 俺はなんて幸せ者なんだろう、素晴らしすぎる人を妻にできた! 柳ヶ瀬は今日の事は一生忘れないと心に誓った。 今日はある種の記念日にしようと、自分の手帳にいそいそと書き込んだ。 そしてチラリと竜聖を見ると、彼も柳ヶ瀬の反応に気づいていたらしく、 にやりと笑っていた。 柳ヶ瀬は彼に向かってサムズアップし、お前の心がわかったと合図した。 いまだ怒りが収まらない木蓮はその小さな肩を興奮でフルフルと震わせている こんなにも強く、鋭く見えるのに、ベッドの中ではあんなに可憐で淫らだなんて・・・。 柳ヶ瀬は昨晩の事を思い出し、熱を持ち始める自分自身に気づいていた。 だが、思い出した淫らな木蓮の想像はそう簡単に消えたりしない。 この鋭い目が、蕩ける様になって、潤んだ瞳からこぼれる涙は上気した頬を流れ落ちていく。 この硬く結ばれた口からは、甘い鳴き声と、求める声がやまず、貪るようにくついたこの小さな唇は自分の口技に翻弄されながらも一生懸命ついてきた。 自分の腰の動きに合わせるかの様に動く2つの房は妖艶に誘ってくる。 そそり立った自分の雄で中をかき回せば回すほど、締め付け、痙攣し、何度も何度も達していく、そのたびに付けられる背中の爪痕は勲章と同じ。 自分の欲を最奥に流し込んだ時は・・・そう・・・ 「――――――さん、緋色さんっ!!」 昨晩の事を思い出していた柳ヶ瀬は真面目な顔で完全にあっちへ行っていた 木蓮に呼ばれるまで延々思い出していたのである。 彼女は真っ赤になりながら言った 「今、ここで、変な事想像しないでください!私にはわかるんですから!  わたしには香ってくるんだからっ!」 やっぱり怒ってる顔も可愛いと思い、今晩もがんばっちゃおうと心に決めた柳ヶ瀬だった。
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