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芙蓉の出したモノがコクリと明慶の喉を通っていく。 身体から抜けてしまった力に言葉も出せず、ただ茫然とその様子を見ているだけ・・・。 明慶はうっとりとした表情で味を確かめているようだった。 堪能し終え、芙蓉の方を見た明慶の瞳は金色に怪しくひかり、自分はこれからこの雄に捕食されるのだと認識する。 圧倒的な獰猛さを見せているのに、高貴で従わざるを得ない空気を醸し出す明慶に、ただ見蕩れてしまうだけ。 恐ろしさすら感じるのに、今は急に抱きしめて欲しいと願ってしまう。 勝手に両腕が男を迎えて、おねだりし始める自分の浅ましさに驚きもしたが、これが自分の性なのだと納得してしまう。 明慶の圧倒的なフェロモンに完全に充てられてしまっているのだ。 自分を狂わす、妖しすぎる雄の眼差しは考える事を簡単に諦めさせる。 明慶も素直に甘えてくる芙蓉に顔をほころばせて応える 力を込めてしまったら簡単に折れてしまいそうなほど細くて小さな身体。 「あ、明慶様だけずるいです・・・僕だけこんな格好なのは・・・イヤ。」 腕の中でむずがるように言う芙蓉、確かに明慶はまだしっかりと衣服を身に着けていた。 そして、芙蓉にニコリと笑うと、自分のシャツのボタンを外し始め、その中身をどんどん晒していく。 真っ白いシャツから見えた上半身は、しっかりと筋肉がついていて胸板もぶ厚くしっかりとしている。 むっちむちです、という感じがないのが不思議なくらいだ。 大きな胸にそっと触れてみると、柔らかいのにかたくて、そして熱い。 芙蓉は素肌の感触が気持ちよくて、無意識に撫でまわしてしまう。 「――っ、芙蓉、ちょっと待ってくれ、くすぐったい。」 縦横無尽に撫でまわす手を止め、甘い抗議をすると見上げた顔が拗ねている。 もっと触らせてくれと、抗議しているような視線を向けられた。 仕方がないので、その手を持ったまま、ベルトのバックルへと誘う。 一瞬目を見開いたが、すぐにトロンとした表情に戻り、カチャカチャと音を立てながら外していく芙蓉。 上からその様子を見ていると、なんともイケナイことをしている気分になってしまう。 小さな手が、ウエストのボタンにかかり、するりと外していく。 既にスラックスの上からでも十分な大きさがうかがえるほど、雄立している 芙蓉も明慶がしたように、クンクンと匂いを嗅ぎながら雄の存在を確かめている。 スラックスが足元に落ち、ボクサーパンツもズルズルとおろされる。 漸く窮屈な空間から抜け出せた剛直は、ブルンっと伸びをするかのように現れた。 「わっ・・・。」 顔を近づけ過ぎていた芙蓉の鼻に、ぺちっと当たる音がする。 明慶の雄からも液体は駄々洩れていて、芙蓉の美しい顔をヌラりとてからせてしまった。
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