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服を着た彼女と向かい合ってテーブルに座ると僕は冷蔵庫から冷えた葡萄ジュースを出してグラスに注いだ。
ワイン工房のトレスがいつもくれるジュース。ワインにならない葡萄を絞り、こうやってジュースにするらしい。
ジュースとしての味は最高に美味い。
彼女はスプーンでスープをすくい口に運ぶ。
その勢いは凄まじい速さだった。
僕はその光景に圧巻だった。
ふと彼女が顔を上げて僕を見る。
目が合うとさっきの彼女の裸を思い出し、僕は目を逸らす。
「食べないの…」
彼女は籠に入ったパンに手を伸ばして口に入れた。
僕はスプーンを置いてスープの皿を彼女の前に差し出した。
良かったらこれも食べな…。
僕はそう言ってグラスの葡萄ジュースを飲み干した。
彼女は喜んで僕のスープの皿を引き寄せた。
相当お腹が空いていたらしい。
彼女の食べっぷりを見ていると気持ち良かった。
そう思った時、新聞記者をしている食べっぷりの良いカシム叔父さんの事を思い出した。
そうだ…。
カシム叔父さんに訊いたら何かわかるかもしれない…。
僕はそう思い、
さっきのメモ。貸してくれないか。
と彼女に言う。
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