プロローグ

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真っ白な雪が、しんしんと落ちてくる。 夜の屋台からは温かな光が漏れて、人々の白い吐息が浮かび上がっていた。 わたしは、この村で四年に一度きりの盛大なお祭りである雪祭りに来ていた。 隣にはもうあれから四年の付き合いになる 大事な大事な友達がいる。 彼が純粋にお祭りを楽しんでいるのを見ると、無性に悲しく、切なく感じた。 お祭りはこんなにも暖かいのに、行き交う人々はみんなポカポカしているのに、、、 心の奥で氷が割れるような音がする。 雪が心を、冷たく、冷たくしていた。 わたしにはもう時間がない。そう思うと、胸をつんざかれるような気持ちになる。 「あ、佐奈。射的やってかない?」 彼は、ほんとうに楽しんでいるように見えた。 彼に、言わなきゃいけないことがある。 今まで言えなかった、たった5文字。 「さようなら。」って。 「いいよ。行こう!」 涙に負けない精一杯の笑顔で彼に言った。
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