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はい、と頷く。佐奈と出会えたのも、広く見れば雪祭りのおかげだ。
センパイはニコニコ笑いながらも、どこかずっとずっと遠くを見つめているように感じた。
「私ね、雪祭りに初めて行った時にね、中2の時だったんだけど、何かに引っ張られたような感じがしたんだ。」
何かに引っ張られたような感じ?
頭の中で反芻する。
「なんていえばいいのかなー?」
センパイはしばらく考え込んでいた。
「和温くんはさ、もし冬の寒い日に外へ出たら、太陽が直に当たるところに行きたいでしょ?、私も同じ。私はお祭りの最中、日向を求めて歩いているような、日向に吸い寄せられているような、そんな感じがした。」
日向を求めて歩いている、、、か。
僕とはちょっと違うなって思う。
僕はあのお祭りの最中、温かさを感じた。じんわりと僕を包み込んでくれるような温かさであると同時に、どこか寂しくて、儚さを感じるような、不思議な温かさだった。
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