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「私こう見えても立派な部長じゃん?ボランティアとかで忙しくてあんまり詳しく雪祭りのこと調べられてないんだけどね。
たまたま手に取った本にこう書いてあったんだよ。」
高橋センパイの視線は相変わらず遠かった。
「雪祭りには、科学などでは解明のしようのない不思議な力がある。雪祭りは、その人の真髄であるとか、気持ちであるとか、さらには、未来までをも、漠然と、その人の「感情」として示すのである。」
難しい文章だ。率直にそう思う。
「要するにね、自分の未来を含んだ、本当の自分っていうのを雪祭りが示してくれるってこと。」
それは要すれたというのか。要するにの後の言葉が分かりにくいというのはなかなか稀である。
「佐奈ちゃんにこのことを話したら、何か思いついたみたいで、急いで机に向かっていったっけ。懐かしいなー。」
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