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佐奈、、、名前に敏感に反応してしまう。
気になって、先輩に聞いた。
「佐奈は、雪祭りの何を調べていたんですか?」
先輩は笑った。悲しいのを我慢している様な笑い方だった。
「、、、雪祭りの起源」
その言葉を、どこかで聞いたことがあるような気がした。
僕が何か言いかけた所で
さて!と勢いよく先輩は立ち上がった。
「今日はもう遅いから、和温君ももう帰った方がいいよ。今は男子といえども襲われる時代なんだぞー。」
先輩の笑顔には、さっきまでの悲壮感は見受けられず、明るく無邪気だった。
僕は先輩に貰った入部届を鞄にしまい、帰る支度をする。
「、、、雪祭りの起源。」頭の中で反芻する。
言われてみると確かに佐奈は、それにとても固執している部分があった。最初に佐奈に出会って雪祭りのことを話した後も、真っ先に起源のことを聞かれた気がする。
、、、雪祭りの起源が、佐奈が学校にこなくなったことと関係があるのだろうか?
もし関係があるのなら、今まで佐奈が雪祭りのことに固執していた理由にも説明がつく。
「大事な友達と一緒にいるため。」
佐奈のこの言葉を先輩から聞いた時、不安になった。佐奈は、雪祭りと一体どんな関係なのだろう?
武田は奉仕部の活動がまだあるとのことだったので、僕はやむなく一人で帰った。夜の闇が濃さを増しているように見えた。
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