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また、ある卒業生の研究によれば、雪祭りに月が出たのは第1回雪祭りの三日月だけだと言う。
、、、どういうことなんだろう?やっぱり僕の記憶違いなのだろうか。
しばらく考え込んでいたらしい。気づくと僕は、学校内で1人突っ立っていた。そばにあった窓から外を見ると、真っ暗だった。雪がポツポツと降って、寂しげな風景だった。
「あれ?和温君?」
ちょっと驚いて振り返ると、高崎センパイがちょうど帰るところだった。正直びっくりした。高崎センパイは、いつもこんなに遅くに帰っているのか。
「どうしたの?もう外真っ暗だよ。」
「ああ、すいません。ちょっと考えごとをしてまして、、、。」
それからしばらくの沈黙があった。いつもの高崎センパイとは雰囲気がちょっと違うなって思った。
「、、、和温くん、雪祭りの調査は順調?」
センパイの口調はどこか寂しそうだった。
どうだろう、順調なのだろうか。でも少なくとも今日は、進展があった気がする。
その旨を高崎センパイに話した。
「、、、そっか。」
寒さが身に染みるのを感じた。
「、、、まあそれじゃ和温くん、また明日ね!」
そう言い残して、センパイは帰っていった。
元気さが寂しさを覆い隠しているような口調だった。
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