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「これが、隣の芝は青い、ですか?って言うか、そんなの本当にあるはずが…」 「ございます。お客様は、恋人さまの事で悩まされてこちらにいらしたご様子。これを恋人様に差し上げるだけで、もう無いものねだりはして来なくなるのです」 店長さんが柔らかく微笑んだ。あ、やっぱこの人、イケメンだ。 「でも、そんな良いものでしたら、お高いんですよね?今俺、お金無くて…」 ちょっとかなり心配なんですけど! 「大丈夫です。此処は不思議魔法店では、いわゆるお金、というモノは頂いておりません。お客様の満足された心のパワーを一部頂いています」 はあ?そんなんで、儲かるの? 「まあ、そちらが良いなら、それで構わないですけどね」 なんか、色々あって疲れたな。ってか、現実に戻れるんだよなぁ…? 「大丈夫です。ですがお客様。商品はあくまで商品。使い方を間違えませんように…」 店長さんの声がぼんやり聴こえて、ハッと気が付いたら俺はあの道に商品を持って帰って来ていた。 あの後、萌愛は人が変わったみたいに大人しくなった。奢ってもらうのが当たり前と思っていたのに、それも無くなり、お陰で此方はビクビクした日々を暮らしている。
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