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「何か考えてました?」
「ああ、ココアの時の詞を思い出していた。君は朝の朝食の設定でいこうと言ってくれた」
「私、冬は毎朝ホットココアを飲むんです。あの作詞は先生の創造力が作った良い作品でしたよ」
彼女は謙遜したが部屋を借り朝から、朝食を作って私が起きるのを待ってくれた。髪をポニーテイルに結んで、紺色のパジャマを着て、若者の同棲カップルのような空間を演出してくれた。俺はその空気をただ言葉にしただけだ。
「甘ったるいココアみたいな詞だと思うけど」
「いいんじゃないですか、昔のフリッパーズギターみたいなイメージで」
「でどうする?」俺は彼女に丸投げした。
彼女は腕を組んで少し考えた。
「私も寒いところに住んだことがないので、とにかく行ってみないとって感じですかね」
「じゃあ星野リゾートあたりに宿をとって、何かしらアトラクションでもして、ロマンティックな雰囲気でも作りますか」
「いんじゃないですか。なんせ広瀬香美ですから」
彼女がニヤッとした。
「ヒット曲を書けというリクエストだから」
俺も彼女に笑みを返した。
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