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「はいはい、解った。今日は何ができたんだ? 明日聞いてやるから、手を洗って来いよ」
「世紀の大発明に、何ておざなりな!」
そう言う令司の手には、無色透明の液体が入ったビーカーが。
こほん、と一つ改まった咳をすると、令司はそのビーカーを掲げて見せた。
「何を隠そう、これはどんな物質も溶かしてしまう液体なんだ!」
「……」
泰彰は眼を二、三度瞬かせると、呆れ声で言った。
「じゃあ、どうしてそのビーカーは溶けないんだ?」
「あれっ?」
全く、と泰彰はため息をついた。
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