君の心を溶かしたい

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「小学生でもわかるような法螺吹きやがって」 「法螺とはなんだ! ビーカー以外の物質なら、溶けるんだ!」  現に俺の消しゴムは溶けた、としつこい令司だ。 「試してみようか」  そう言うなり、令司は液体を泰彰のマンガに掛けた。 「ちょ、何するんだ!」  水なんか掛けると、本がでろでろに……! 「!?」  泰彰は目を疑った。  本は、瞬く間に白いもやになって、消えてしまったのだ! 「成功だ!」 「何が『成功だ!』だよ! あのマンガ、いい所だったんだぞ!」 「世紀の発明に、犠牲は必要だ」 「うるさい! 買って返せ!」
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