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第5話 シスタードラゴン
俺たちドラゴン兄弟が生まれて約ひと月。
俺たち五頭はティアマト母さんに呼ばれてリューノスの中心部にある訓練場を目指して飛行中だ。
「訓練場って、今日は一体何をするんだろうな…リュウジ、分かるかい?」
並んで跳びながらリュウイチが俺に尋ねてくる。
「多分だけど俺たちも随分育った訳だし、そろそろドラゴンならではの身体の使い方を教えてくれるんじゃないのか?例えば戦い方とか…」
事前にエミリーに聞いた話だと、俺たちが今向かっている訓練場というの岩以外は何も無いかなりだだっ広い平地らしい。
そんな所で教えてくれる事と言ったらそういう方面の事だろう。
まだティアマト母さんからは何も聞かされていないが俺たちがこのリューノスを旅立つ事は間違いない筈だ…しかもそう遠くない未来に。
何故そう思うか?それは俺たちより前にも母さんには子供がいた形跡があるからだ…ドラゴンの子供を育てるための施設があまりにも充実し過ぎている。
それなのに今のリューノスには母さん以外にドラゴンが一頭もいない。
つまりはそういう事なのだろう。
今、俺たちは平然と空を飛んでいるが、跳べるようになったのはつい最近だ。
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