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第3部 Careless Whisper
私の体を照りつける太陽のじりじりとした暑さ……体が少しずつ焼かれていくような感覚……。
私の意識は回復した。一体、どれくらい気を失っていたのだろうか……。分からない。時間の感覚が消え失せてしまっている。そう言えば、勇真は!私を犯そうとしていた男達は!首を慌てて左右に振ってみる。
最初に目に入ったのは、ぼさっと青い空を見上げている勇真だった。ただ、ぼさっと……そして、急に乾いた風が私の頬を撫でた時、私は体全体に鋭い棘のようなひやりとした冷たさを感じたと同時に、下の方から嗅ぎ取ることが出来た、鉄が錆びついたような臭い。
そっと、自分の体に視線を下ろしてみる。
「いやああああー。ああああー。嘘、うそ!何なの」
私の体が人間の血で、真紅に染め上げられていた。
私だけじゃない!
勇真の体も!
どうして?
これほどの出血をする怪我はしていないのに!
まさか!
私は恐る恐る辺りを見回す。
「ああああああ……嘘……」
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