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「勇真、違うの!今のは違うの!私、いつまでも勇真と一緒だから……ねっ」
必死に弁解をする私。
しかし、勇真の耳には全く届かなかった。
「ぬあああああーーーおおおおおおお」
勇真の空間を切り裂くかのような雄叫び!
私の全身を猛スピードで走り抜けていく戦慄!
私が、目を閉じた瞬間、勇真の体が破裂した!
私の体はまたしても、真紅に染め上げられた!
辺り一面にゆっくりと落下していく、勇真の体の破片……。
「ああああー。勇真。何で!何てことをー。あああああー。勇真ー。私と勇真は、一緒なんだよ!一緒なんだよ!勇真ー。貴方がいなくなれば、私もいなくなっちゃうんだよ!あああー。どうして?どうして?何故?勇真ー。何でー」
突然の出来事に、あたふたしながら叫び声を上げ、勇真の破片をかき集め、拾い上げようとする私!
そう、私と勇真は生まれたときからずっと一緒だったのだ。
一緒に生まれたのだ!
二人一緒に!
下腹部から下半身がくっついた状態で!
そう、私の体の部分のいくつかは、勇真と共有しているのだ!
勇真の死!
それは、私の死でもあるのだから。
やがて、興奮が収まり始めたと供に、私の体から少しずつ抜けていく生命力……。
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