第1部 Only One

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私は空腹感に敗れ去り、勇真が差し出した林檎に貪りついく。そして、勇真も同じようにもう一つの林檎に貪りついた。                                        これが、私の勇真の不思議な力との奇跡的な出会いだった。これ以来、私は勇真のこの不思議な力のおかげで、生き長らえることが出来たという訳だ!それからというもの、私達から飢餓による恐怖は去っていった。後は、居住空間だ!ずっと二人だけで平穏な生活を送る事ができる場所……私達だけのユートピア……。決して存在することの無い妄想……。分かっている。私達は、いつも何処かの廃屋を見つけては、そこをしばらくのねぐらにしていた。  廃屋の中で寄り添い会う私達……。私達はいつも二人で、寄り添いあいながら、体と心を温めあって来た。そして、今日も私達はお互いの性器を愛撫しあいながら、お互いの心を温めあう。そして、私達は絶頂に達した時に、お互い抱きしめ合いながら、深い眠りの中、長い夜を乗り越えて行く。 毎日……いや、毎晩……
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