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廃屋に入り込む東側からの眩しすぎる朝の光。瞳の奥に鋭く差し込む白金の光……。この廃屋をねぐらにするようになってから、どのくらいが経過したのだろうか……。日記をつける習慣がないから、分からないけど……。そろそろ変えよう。そんな気分になった。私は急いで勇真を起こす。眠い目を擦りながら起き上がる勇真……勇真の意識がしっかりとしたのを確認してから、私は勇真と一緒に廃屋を後にした。
熱い日差しを浴びながら、廃屋らしき物を捜し求める私達。野宿するよりかはましだ!その程度の考えでしかないのだが、それにしても私達を見つめる他人の視線って、どうして異様なのだろう。もう慣れてしまってはいるけど、慣れたけど気になる。嫌な感じだ!なるべく無視して歩くようにはしているけど……。
やがて、人気の無い通りに差し掛かった。この方が気分がいい。嫌な気分にならなくて済むから。それにしても暑い日だ!少し休もう。そう思い、私達は少し休憩することにした。木陰で寄り添いあう私達。勇真が不思議な力で手に入れてくれた食べ物を貪る私達。やがて太陽は私達の真上に差し掛かってきた。もう少しここで、休憩しよう。緩やかな眠気が、私達を優しく包み込もうとした刹那、私は私達を囲んでいる何人かの人影に気が付いた!
「何、何なの貴方達は?」
私は、驚きながらも、問い掛けた。
「俺達かい?只の通りすがりさ!ただ、普通の通りすがりとは、ちょっと違うけどな」
にやけながら答える一人の男!しかも厭らしそうな目付きで私達を見つめながら。
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