いつか沈みゆく哀れな人類の逝く末

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溶ける。 溶けるように暑いと言ったほうが正確か。 温暖化、温暖化と言われ続けた地球は、 北極、南極全ての氷を溶かし、海面上昇。 米国は国家予算で作れるだろう、 いつかのアニメで見たコロニーを作らず、 超壊滅状態の地球に、 某テレビ局の球体をつけた棒を突き刺すという、 裏技を使ってみせた。 呆気にとられた超高齢化の国は、 その発想についていけず、 理解を示す頃には、 超熱帯気候の影響による長雨に、 山々に建てた家は、 どんぶらこっこ、どんぶらこっこ、 流され、沈んでいった。 高温と降りやまない雨は、 皮膚病などの伝染病をも生み出した。 そこで、人類は、 暑さと病に身を守る宇宙服もどきを開発。 そんなダせえもん着らんねえよと、 病も気にならない若者。 流行に乗ったもん勝ちと、 ぞろぞろと伝染病に感染し死んでいった。 地球は青かった。 今も青く見えているのだろうか。 そんなはずはない。 球体の部屋の窓から外を眺める。 一面赤い海。 赤く見えているのはプランクトンや魚の死骸だ。 ご注文の品物が届きました。 ビスケット。チップス。ベビースター・・・。 どれもスナック菓子だ。 食べれるだけましか。 新鮮な魚や肉が食べたくなる。 地球は赤くなった。 赤く見えているだけましだろう。 いや、地球が存在しているだけましだろう。 地球の滅亡が先か。 人類の滅亡が先か。 溶ける。 このままいっそのこと、 溶けてしまったほうが幸せなのかもしれない。 生きていく希望より、 ちょっとでもましな死に方を考える。 そんな私はちょっとましな人間なのかもしれない。 終。
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