エピローグ

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「忘れ物はないかい?」 「はい。いうても、財布に携帯くらいですけど。あ、ハンカチも鼻かみもちゃんと持ってますよ」  お兄ちゃんとディズニーランドへ遊びに行った時と同じ掛け声。でも今日は遊びに行くんやない。ディズニーキャストとしての初出勤。  東京へ出てきて、四ヶ月。僕はやっと今日から康介さんと同じ社会人になる。まだバイトで社員やないけど、自分でお金を稼ぐ。そう思ったら、まだなんもわからんけど気が引き締まるから不思議。  今は密かにプランを持ってる。お給料が貯まったら、康介さんと兄ちゃんと、彼氏の徹さん、それに健介さんと健介さんのフィアンセさん、みんなを招待してナイトバードでパーティーをしたい。まだまだ先の話だけど、落ちついたら富美子ママさんにお願いしようって思ってる。  康介さんは僕をギュッと抱きしめて、背中をポンポンした。 「いってらっしゃい。気をつけてね」 「行ってきます!」 完
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