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戯けたように言わないとちょっと挫けそうだ。弱く苦笑して、触れている手を取ってその甲にキスをした。
「んっ」
「かっこいいけど、相変わらず快楽には弱いよね。未だにベッドの上じゃド淫乱だしね」
「今はそういう事言うな!」
「可愛いけれど。おねだりも上手だし、エロいし、ついついやり過ぎちゃうくらいだし」
「お前! あぁ、もう!」
真っ赤になったフェオドールが逃げるように離れようとする。その腕を掴んで引き戻して、愛らしくふっくらとした唇を奪い取った。
「うぅ! ふっ……んぁ、ぁぅ……」
キス一つでトロンと瞳が潤んでいく。体にも力が入らなくて危なげな腰を抱き寄せ、尚も深く舌を潜り込ませれば欲するみたいに絡んでいく。抱き寄せる体が熱を帯びて行くのはすぐに分かる。頬が上気しはじめた。
「はぁ……らめぇ、だよぉ」
「呂律回ってないけれど?」
「今日はしないんだもんぅっ、ひゃうぅ」
首筋に口づけると可愛い声が聞こえる。スイッチは切り替わっているのに、今日は少し頑なだ。
「したくないの?」
「したい、けど……ボリスの家族とちゃんと話してからがいぃ」
涙目で見上げられて、そんな事を言われたらどうしたらいい。自分事でこんなに悩ませて、大好きなエッチまでしないで。
「んっ、分かった。家族と話をしたら、沢山可愛がってあげるね」
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