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恋人失格?(チェスター)
リカルドの様子が変だ!
チェスターはすっかり気落ちして、真っ昼間から死んだ目をしていた。
「こらこらチェスター、死んでるよ。僕の訓練そんなにきつい?」
「ファウスト様の地獄に比べれば全然平気です」
「そこと比べるの? あれは僕から見ても地獄だよ」
訓練の合間、気の抜けた目で他の隊員の訓練を見ていたチェスターの隣りにウェインがくる。怒られているのだろうが、それ以上に心配されているようだった。
「何かあったの?」
「……俺、恋人に捨てられるかもしれないです」
「え?」
驚いた顔をしたウェインに、チェスターはつい先日からのリカルドとのやりとりを話した。
「様子がおかしいなって、思ってはいたんですよ。元気ないし、ちょっと余所余所しいし。それまでは夜に会いに行けばキスくらいはしたし、話もしたし、気持ちが乗ればその先だってしてたんですよ」
「あぁ、うん……。これ、僕が聞いてもいいの?」
アシュレーという公認の恋人がいるにも関わらず、ウェインは未だにこの手の話が恥ずかしいらしい。既に顔が真っ赤だ。
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