【10】

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それから一ヶ月後、美術の授業が始まる前に都は授業中に手を挙げ「生理痛でお腹が痛いので、保健室へ行かせてください」と言い、演技をしながら教室を出ていった。 時間差で、司も「先生ぇ、俺もうんこがしたいから便所行ってきまーす」と言い、立ち上がると教室を出ていった。 中学校のときの制服を着て忍び込んでいた博己と大三郎と弟が着ている高校の制服を着てやってきた浩の三人で、保健室で待機していた。 保健室のおばあちゃん養護教諭は特に疑うことをせず、博己と大三郎と浩をそのまま寝かせていた。 司と都は途中で合流し、都をおんぶしながら深刻な顔をしながら保健室へと入っていった。 司は事情を説明すると「あらあら、それは大変だわね!」と言うと、残りのベッドへ誘導するとカーテンを閉めた。 ベッドからカツラを被った博己が顔を出すと、ニンマリ笑った。 司と大三郎が「あっ…この顔はヤバイ」とすぐに悟り、ベッドから離れた。 ちなみにこのカツラは、大三郎の両親が美容室をしていて都の髪型にそっくりにセットしてもらっていた。 この日の為に、博己は髪の毛と眉毛以外の全部の毛を剃ってきたと大三郎に打ち明け、それを司にも報告すると「タイマンのときよか、力入れ込んでないか?」とコッソリ言うと「俺もそう思った…」と溜め息混じりに呟いた。 浩が「だっ…大丈夫かな?うん。」とおどおどしながらビデオカメラを大切そうに持っていた。 すると「わぁーみやちゃん、乳首小さくて可愛いー♪」という声が聞こえた。その後慌てた声で「なっ何見てんのよっ!お兄ちゃんのエッチ!」と言うと、ビンタの音がした。 浩が顔を赤らめていると、大三郎が「マスをかくなよ?」と言うと、浩は「わっわわわかった!うん!うん!」と言い、股間を押さえた。 司はその様子を見て、笑っていた。
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