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司は咄嗟にその手を力づくで掴み、思いっきり捻った。 すると30代中間から40代前半と思われるメガネをしたサラリーマンと思しき男性が「痛えじゃねぇかっ!何すんだよっ!!」大声を出した。 司が「オッサン、何してんだよ。」と言いながら睨むと「何もしてねぇだろうがっ!こんのクソガキが!」と言って、更に大声を出した。 すると騒ぎを聞きつけた人が、停車したときに駅員を呼びに行った。 駅員が「どうかしましたかー?」と誰かに聞いていると「この人、痴漢です。」と司は言い、男性を突き出した。 男性は顔を赤くしながら「なっ…何もしてませんよぉー!」と言い訳をしながら、司と女子学生を睨んだ。 女子学生は俯いたまま、小刻みに震えていた。 それを見て、司は「そんなことして、恥ずかしくねぇのかよ…」と言い、大きなため息をついた。 それでも男性は大声で、否定をし続けていた。 司は埒が明かないと思い、駅員に女子学生から事情を聞くようにと話した。
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