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コンビニの入り口近くにゴミ箱がいくつか並んでいる。燃えるゴミ、プラスチック、ペットボトルなどと区分けされている。コンビニに缶用のゴミ箱は設置されていない。俺はちっと舌打ちをする。
無造作に突っ込んだせいだろう。燃えるゴミ箱に入りきらず飛び出している紙袋が目に入り何も考えず引っ張り出してみた。それは持ち手の紐がついた大きな紙袋。中身を見るとキレイに包装された箱がいくつも入っているではないか。
なんだこれは!
今夜の俺はとてつもなくラッキーかもしれない。そそくさとその紙袋を両手にかかえその場を去る。先ほどまで引きずることしかできなかった踵はやけに俊敏に動き始め、俺は近くの公園へと移動した。誰もいないことを確認して袋に大量に入っているプレゼントのような箱を一つ開けてみた。中にはやけにゴテゴテと飾り付けられたチョコレートが入っていた。
ああ、そうか。昨日はバレンタインデーというやつだったか。ということはこの袋に入っているのは全部チョコレートということか!? 世の中捨てたものじゃないな。優しい奴もいるものだ。こんなに大量のチョコレートを捨ててくれるなんて。チョコレートなんて口にするのは何年振りだろう。
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