88人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
「失礼致します」
「あ、仲村か......ちょっと相談が」
「え?」
「なんだ?」
「いえ、社長が私に相談とか...」
「したことなかったか?まぁいい。」
俺はデスクからソファへと移動して
仲村にも座るように則す
「なにか...今朝から社長少しお考えのこととかございますか?」
「ん?なぜ...」
「いえなんとなくですが...」
もう隠しても仕方ない
「実は......」
眞鍋由紀乃を見た瞬間、ひとめぼれをしたことを正直に話した
「え?社長が...眞鍋にですか?」
「そうなんだ。しかし、どうすればいいのかがわからん。でも、眞鍋くんを手許に置きたい...。仲村、どうすればいい?」
「そうですね...。社長のお気持ちもわからなくはないですが、彼女を社長秘書にするのはどうかと思います」
「何故だ?」
「彼女はまだ新人です。まだまだ勉強することが沢山あります。」
「はぁ...そうだな。」
肩を落とし、項垂れる俺を見て
仲村は頬笑みながら
「秘書として社長には意見などと思いますが、学生の頃から存じ上げる絢人坊っちゃんへのアドバイスとして...クスクス...」
「...仲村さん...」
「眞鍋を社長付き秘書にするなど、思いっきり公私混同ですよ? まずは、あまり焦らず、ゆっくりと眞鍋と向き合ってみてはいかがですか?」
「そうだね仲村さん...ありがとう」
「では仕事がございますので、失礼致します」
「ん...」
そうか...そうだな
最初のコメントを投稿しよう!