88人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
仲村に...いや、仲村さんに言われた通り
無理矢理、彼女を秘書にすることはやめた。
しかし、仲村さんが
彼女を自分のフォロー係につけて仕事を覚えさせると言い
なにかと同行することが増えた。
俺としては
仕事であれ由紀乃の顔を見ることが出来るのは
正直嬉しい
「絢人...顔に出てるから...」
「え?」
「デレッとし過ぎ...アハハ」
「海浬...お前付きの秘書が別の人に代わったって?」
「ああ、別に俺に秘書とかいらねえんだが...」
「海浬、お前も専務だからな。秘書は必要だよ」
「じゃあ、眞鍋さん...返してくれよ!」
「いや...それは...」
海浬にからかわれながら
次の事業計画の打ち合わせ会議に向かう
秘書課の前を通り過ぎようとしたとき
ドン!
「キャッ」
「いてっ!」
「はい...あ、申し訳ございません」
「......あ、(///ω///)」
「クスクス...絢人!眞鍋さん、怪我ない?」
「はい、大丈夫です。社長、申し訳ございませんでした。大丈夫ですか?」
「...あ、ああ大丈夫...」
「行くぞ、絢人」
俺は海浬に引き摺られながら
エレベーターに押し込まれた
「眞鍋くん!ほんとに大丈夫?」
「はい...ニコッ...行ってらっしゃいませ」
彼女のお辞儀を見つめながら
ドアは閉まっていった
「はぁ~。ダメだ...彼女に会うとオロオロして...俺、ダメなヤツに見られてないかな~?」
「俺様の絢人が、子ウサギちゃんに翻弄されてるって...笑える...アハハ...」
「海浬ぃ~!俺は真剣に悩んでるんだぞ」
「ゴメン、ゴメン。しかし、眞鍋さんを前にするとマジでダメだな...彼女にはカッコいい姿を見せなきゃな」
「ああ」
「よし、まずは仕事!仕事!行くぞ」
「おお」
俺は気合いを入れ直して
会議に向かった
最初のコメントを投稿しよう!