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私のスマートフォンは、
日曜日になるとほぼ鳴らない。
ほかの日には、
『愛してる、会いたい』
なんてさ、言ってるのにね……。
日曜日は私はいないものと同じ。
最初はなんだっけ……。
受付で上司の取り次ぎをしたんだった。
上司から飲みに誘われて、
行ったら貴方はそこに居たんだ。
言われるまで顔も覚えてなかったのにな。
私のしている事は、世間では批判の対象。
奥さんや、子供の事考えたことある?
最低、信じられない。
辛いから何?なら離れれば?
そういう目でしかみられない。
好き、でも、私は泥沼にいるよ。
離れたい、離れたくない、
どうしたらいい?
今日は日曜日、お酒を飲む日と決めている。
だから、持病の薬も今日は飲まない。
日本酒を冷で呑むのが私の好み、
1週間で1度の楽しみでもある。
おつまみはなし。
お供はソファとテレビと猫のミィ。
「なぁ~~ぉ。」
「おいで、ミィ。」
ミィはひとり暮らしの私の、唯一の癒し。
マンションの自転車置き場に、
捨てられていた。
雨の日で、ミィ以外の子は、
冷たくなってしまっていた。
ごめんね……。
ミィだけは何とか助けられて、
今では女王様の様な振る舞い。
普段は寄り付かないのに、
この日だけはそばに来てくれる…。
何か伝わるのかな?
「ミィ、ありがとう。」
目を合わせては来るけど、
答えの分からそうなその瞳と、
グルグルならす喉に私は安心を覚えた。
このまま、全部忘れてずぶずぶに酔いたい。
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