男と女

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ピピピ……ピピピ…… 電子音の音がする。 また、ソファで寝ちゃった……。 テーブルには飲みかけのお酒と、 テレビがつけっぱなしだった。 スマートフォンのアラームを解除し、 お腹の上にいたミィをどかした。 今日からは又仕事だもの、 用意しなくちゃね。 飲みすぎたかな……。 あんまり気分が良くないし、頭もいたい。 それでも私は仕事に行く、 今日は取引先の貴方が来るから、 少しでも、会いたい。 シャワーを浴び、 疲れた顔を隠す為にメイクもキチンと。 「ミィ、おかしくない?大丈夫?」 今日は構ってはくれないみたいだ。 でもちゃんとお見送りはしてくれるのね。 外はどんより曇り空、 別に天気なんかどうでもいい。 いつもの通りを時間通りに歩く、 今日はやけに人が多い。 そのせいか、体調が余計に悪くなってきた。 いつもなら、お腹がすく匂いの ハンバーガー屋さんも、牛丼屋さんも 吐き気をもようすだけ。 やっぱり、休めばよかったな……。 こういう時、独り身は誰に頼ればいい? 父や母は遠くに住んでるし、 私は友達もあまり多くもなく、 来て欲しいと頼む程仲良い子もいない。 とりあえず、 近くの花壇に腰をかけて休んでから 仕事に行こうと思った。 するとスマートフォンがピコっと鳴った。 『今日はそちらに伺います。 ランチ一緒に如何ですか?』 私がしんどい時に呑気な人だと、涙が出た。
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