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「ああ、さち、さち、こうしたかったよ。」
マンションに着くなり身体に触れてくる。
分かってた。
けど、やっぱりショックだった。
「すいません先、御手洗行ってきます。」
無理やり手を解き私はトイレに向かう、
取り出したのは、安定剤。
無理だ、耐えられない。
4、5錠程一気に開け、トイレの水で飲んだ。
暫くしたら効いてくるだろう、
だから私は大丈夫。
ミィがトイレをカリカリしている。
こういう時に、ミィは感が鋭い。
私は何事も無かったように、
トイレから出る。
「さち、愛してるよ。」
貴方の大きな手が私の頬や身体にふれる。
勿論口ずけも忘れない。
優しくも、激しくもある。
薬が効いてぼんやりしてきたら、
もう後は身を任せるだけ。
愛してる、気持ちいい、
貴方のその匂いが好き。
頭の中は其ればかりしか考えられない。
余計な事は考えたくないの、今だけは……。
私はこの泥沼でとけていく……。
どうにか、なってしまう前に
私を捨てて下さい……。
~the end~
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