終章:君を想う

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慌てふためくジャーミアの声が、水の中では遠く聞こえた。 「…おいおい、落ちたぞあいつ」 「そこで落ちますかね」 「行動がまるで読めませんわ」 二人の姿を影からこっそり覗き見していた一同は、苦笑いから呆れ顔やらを銘々浮かべていた。 「あ、あの、ハイド?シオン殿が水から上がってこられないのですが…」 「オリヴァー、引き上げてこい。お前の直属部下だろ」 「今日ほど騎士団長だったことを呪った日はありませんよ」 ムスタファの引きつった声や、やれやれというハイドの溜息の後。 「あああもうっ!ほんっとに馬鹿ねえっっ!!」 頭を抱えたプリムラの怒号が中庭中に響き渡ったのだった。 end
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