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でもそんな顔を一瞬で緩み、けど先生は見過ごす訳もなく、私をまた鋭く見つめる。
しばらくし先生は教室を去った。残された私と彼は夕陽の中、烏の声でビクビクしながら静かに帰る準備をしている。この気持ちは彼も私と同じ菜の花を得意とすることを知ってからだ。初めは気になってただけ、少し話しかけたり、作品を見せあったり。彼は快活な割に繊細な花を生ける。まるで逆のそれは彼の外身と中身みたい。そんな彼を見てるうちに私は突き動かされたのだ。じゃあ私にはどんな花を生けれるんだろう?分からないまま帰り道を1人歩く。遅くなったので少し急ぎ足だ。
いつも私は好きなように生けている。それは間違いない。けどそのせいかそれ以上の域に達しえないのだとも自覚していた。なら私はどんなふうにすればいいのだろうと、考えに考えているうちに、寝れない夜と、上手くいかない教室が続いた。
元気ないなぁ、私……。
彼にだけはこんな姿を見せたくはなかった。本当は素直になりたいのに、恥らいと挑戦心がそうさせすまにいた。
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