黒い花

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目覚めたら部屋の隅に置いていた、買い置きのオムツが全て無かった。パジャマのズボンを脱ぐと、普通のパンツを履いていた。腹痛は治まっている。夢だったのか?いつから夢だった?俺は混乱した。魔木が残したバレッタは床に落ちているが、水溜まりは消えている。じゃあ死んだあいつらは?俺が呪いを解いた事で生き返ってたりしないか?過去のニュースをスマホで調べたが、残念ながら死んだままだった。魔木は?バレッタが残ってるし、実は生きてるんじゃ…。俺は吉野の家の電話番号を調べてかけた。何の用だよと不機嫌な声に、魔木の事を聞いてみる。 「場加君、頭大丈夫?そんな人居なかったよ」 「お前こそ何言ってんだ?魔木だよ!お前の親友の」 「はぁ?私、ぼっちでしたが?あんたらが散々イジメてきたせいで、友達出来ませんでしたが?」 「俺らが魔木イジメる度に、お前飛んで来てたじゃねーか」 「あんたらがイジメてたのは私でしょ!何?意味分かんない、新手のイジメ?」 俺はガシャンと電話をきった。どういう事だ?俺の仲間は全員死んでる。魔木のバレッタはここにある。にもかかわらず、親友だった吉野は魔木を知らない。あっ!と思い付き、高校の卒業アルバムを開くと、そこに魔木の写真は1枚も無かった。 ゆういつ魔木の存在を証明出来るバレッタは、床の上で艶々と黒光りしていた。
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