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意識が朦朧としてきた。何だよそれ…。じゃあ出部曽も死んだのか。わかんねーよ。呪いが解けないまま死ぬんだな俺…。ぼんやりと俺の首を絞める魔木を見つめていると、突然魔木がドロドロと溶け出した。驚いた?人を呪わば穴ふたつって言うでしょ?私も人を呪った罪で死ぬの。もっと生きたかったけど、悔しい気持ちを抱えたまま生きる方がしんどいから、復讐に走る事にしたの。特に吉野ちゃんまで巻き込んだ間抜さんは本気で許せないから。場加君、そろそろ時間切れよ。そう言うと魔木は更に力を込めて首を絞めてきた。女とは思えない力だ。大人しいと思っていた魔木をこんなにしたのは俺達だ…。ドロドロに溶けて、死ぬ運命を選ぶ程、俺達が憎かったのか…。すまん…。イジメて悪かった…。
「ご…え…ん…な…さ…」
首を絞められながら、俺は呟いた。ごめんなさいと言いたいが、首を絞められながらでは上手く声にならない。その声を聞いた魔木は俺の首から手を離した。
「正解よ、おめでとう。私、ずっとあなた達に謝ってほしかった。もう2度と、イジメなんかしないようにね」
そう言い残して魔木は、溶け終えて水になった。傍らにいつも付けていた黒バラのバレッタが落ちていた。ゲホゲホとむせながら、俺はそれを見つめていた。
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