黒い花

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卒業式が終わり、教室で最後のホームルームの時間。世話になった担任が卒業アルバムを配り終え、最後の話を始める。つまんねー話を聞き流し、やっと終わったところで、急に魔木が立ち上がり、担任を押し退け教卓へついた。ざわつく教室の中で、魔木がゆっくり口を開いた。 「3年間、私と関わってくれて有難う。お礼にあなた達に呪いをかけます。期間は3年間。呪いを解くヒントは、たった一言の言葉…」 そう言って魔木は右手の人指し指を立て、右腕をスッと上に上げた。そのとたん、キィーーーとまるで黒板を指で引っ掻いた様な不快な音が耳に響いた。 うっ…と呻いて辺りを見渡すと、キョトンとしてる奴と、俺と同じく不快音に呻いてる奴が居た。魔木はいつの間にか席に戻っていた。 不快音に呻いてたのは、担任と俺ら魔木をからかっていた組だと気付き、怒りを感じた。どうやったのか知らないが、最後に地味な仕返しとは生意気な。 俺は耳鳴りが収まった後、卒業証書の角で魔木の頭を殴って母校を後にした。何が呪いだ!そんなもんある訳ねーだろ! イライラしながらいつものバスに乗ると、急に腹が痛くなった。それは時間がたつ度にヤバくなっていく。早くバス停に着けよポンコツバス!ギュルギュルいってる腹をおさえる。脂汗がデコから流れ出る。あんた、大丈夫かぃ?お人好しそうな婆さんに声をかけられた瞬間、俺の肛門は決壊した。 その日以来、俺は腹が弱くなってしまった。いつ下痢にみまわれるか分からない為、それ以降オムツ生活になってしまった。
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