黒い花

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今日も下痢が止まらない俺は、オムツを履いて大学へ向かう。カバンの中には予備のオムツも入っている。普通のパンツは、あれ以来履けてない。 通学中も、講義中も、下校中も、絶対1度は漏らすからだ。この事を知っているのは、生き残ってる間抜と出部曽だけだ。他の奴には絶対バレてはならない。大学生にもなって粗相とか、クソ恥ずかしいわ。 大学でのトイレは、出来るだけ人気がない場所のを使う。男子トイレにはゴミ箱が無いから、使用済みオムツは丸めて隅に置く。人が多い場所では出来ない。俺のだとバレるから。新しいオムツを履いて、個室を出ると、知らない奴と出くわした。何でだよ、いつも誰も居ないだろ!小便器で用を足すそいつの側を通りすぎて、これも呪いか?と呟いた。 それ以来、いつもの人気がないトイレまで人が来る様になった。地味な呪い恐るべし。マギノノロイ。呪いが解ける様祈って呟いたが、これも違うらしい。何なんだよ…呪いを解く一言。 いつものトイレが混み始めたせいで、ついにオムツが俺のだとバレた。大1でまだお漏らしかよー!だせぇ!と、自分の使用済みオムツを、顔面に投げ付けられる。てめえ!と殴りかかろうとした俺を、違う奴に止められる。カバンから予備のオムツを出され、便器に捨てられてようやく解放された。 からかわれる方の景色って、こんな感じなんだな…。ちょっとだけ魔木に対して罪悪感を覚えた。
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