黒い花

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俺だけ地味な呪いをくらい続けて3年後。結局呪いを解く一言が分からないまま下痢を垂れ流していた。魔木は俺達に何を言ってほしかったのか、未だに分からない。3年前のこの時間だったな。魔木に呪いをかけられたのは。あまりに体調が悪く、ベッドに横になっていた俺はぼんやりと当時の事を思い出していた。結局呪いは解けなかったな。くそ、腹が痛い。腹痛を忘れる為に、俺は半ば強引に眠りに落ちる。 「場加君。久しぶり」 懐かしい声が聞こえた気がして、ゆっくりと起き上がると、目の前に魔木が居た。驚いて、どっから入った!と怒鳴ると魔木は微笑んだ。何だこいつ。 結局呪いは解けなかったのね、可哀想に…。魔木はそう囁くと俺の首に手をかけ、ゆっくりと絞め始めた。呪いを解くのは簡単な一言だったのにね。あなたも死ぬ運命だったんだ。残念だね。優しく微笑みながら、俺の首を絞める力を強めてゆく。止めろ、止めてくれ…。何故か体は動かない。俺の首を絞めながら、魔木は勝手に色々話していく。担任の先生はちょっと私と同じ状況を作ったら自害しちゃったね。心が弱い人だったんだ。阿帆君と間抜さんのは本当キツかったなぁ…。お爺ちゃん騙して小遣い多くもらったし、間抜さんには沢山裸の写真撮られちゃったし…だから2人には特に痛い目にあってもらっちゃった。スッキリしたよ。クサイとうるさかった出部曽さんは自分が臭くなったら精神崩壊しちゃったね。笑える。さっき殺しちゃったけど。場加君は小物だね。殴られるのは痛かったけど、クソクソうるさかっただけだし。ねぇ、場加君。本当に分からないの?呪いを解く一言は、被害者が加害者に言ってほしい事だよ。
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