束の間の幸せ

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家事は仕事をしていないアルの当番だが、慣れるまではアランが丁寧に教えてくれた。 そしてアランは様々な知識を教えてくれる。 彼は聡明だ。 今まで生きていて必要としたこともなかった、花の名前や文字の読み書きなどをアルにたくさん教えてくれる。その時間もまた、日々の楽しみの1つで。 必要としてこなかった知識でも、学べば世界が変わって見える。 花という言葉しか知らずに外に出るより、咲いている花々を一つ一つ違うものとしてみれば、世界の色は違って見えた。 そんな幸せな生活だが、アルには1つ悩みがあった。 それは、彼からする甘やかな香りである。
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