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1000スター達成記念!誓いのピアス②
※お礼ssの続きになります。
食事の後片付けを終えた後、アランに手を引かれ、連れていかれたのは処置室で、革製の寝台に座らされた。
何に使うのかよくわからない、様々な医療器具が置いてあるこの場所には、予防接種や傷を縫うときなどに時々連れていかれる。
「…耳を見せて。」
なぜか油性ペンを持ったアランに髪を搔きあげられ、耳にかからないようにピンで止められる。
アランが俺の耳を様々な角度から真剣に観察していく。
いくら耳とはいえ、こんなに見られると恥ずかしい。かさついてないかとか、そんな要らない心配までしてしまいそう。
そのうえ彼との距離が息がかかるほどまでに近くなり、胸がドキドキして止まらない。
小指の長さほどの距離もないすぐ近くにある、彼の煌びやかな髪から覗く、海の底を映したような深い青。
それがこちらを真剣に見つめる姿が視界に入ってきて、美しすぎて反射的に目をそらす。
「じっとして。」
そう諭されて、どこを見たらいいのかわからず目を泳がせてしまう。
近くできゅぽんっと音がした。
「ひゃっ!」
何か異様な感覚が耳たぶを走り、思わず変な声が漏れる。生ぬるくて濡れた、細い何か。
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