終わりの始まり

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「汚らわしい。そのばらばらな色の瞳は、お前にお似合いだ。」 男はそう吐き捨て、少年を蔑む。予約の部屋にたどり着くと、少年の髪を掴んで乱雑にベッドに放り出した。 脱がされるためにあつらえられたような一枚のマントをするりと解くと、まだ大人になりきっていない幼い肢体が顔を出す。 男は前戯も施さずに忌々しいほどにそそり立つ雄を小さな秘孔に捩じり込んだ。 生理的に溢れた涙を拭うことも許されず、少年はただじっと飾り物の窓を見つめる。 運命は残酷で、平等など存在しない。 家畜同様の自分は今夜このαのもので、明日はまた違うαのものになる。それが両親に旅立たれてからの、Ωの自分の日常だった。 「ああっ…おまえ、最高の締まりだっ…。 おら、声を出せっ。もっと雰囲気を出せよっ」 ハアハアと息を切らしながら、獣のように腰を振っている男は、少年の尻を手加減なしに叩く。 そんなに乱暴にされて、痛い以外の感想などない。痛いと叫べば許してくれるのだろうか、と男を睨みつけたくなる。 しかしその時、少年には見えたのだ。男の腕についた、まだ新しい傷跡が。 親指、人差し指、中指、小指の爪跡がある。かなりの力でえぐられたようだ。 見つけた、と、少年は形の良い唇端を片方、バレないように吊り上げる。
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