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「…君は…」
柔らかな声とともに、ふわり、と花のような良い香りが花を掠めた。
何故だかいきなり身体が熱くなる。それは病のせいではなく、もっと別の火照りで。
「これは…
失礼。」
目隠しをされていて何が起こったのかはわからないが、誰かが自分の体に触れたことはわかる。
その触れられた部分がどうしようもなく熱を帯び、後孔からとろりと蜜が溢れるのがわかった。
こんな状況で、何故だろう。
気づけばその花の香りに包まれていて、どこかへ移動しているのがわかった。
…今、自分はどうなっているのだろうか。自分の状況がまるで把握できない。
しかし自分を包んでいる香りは情欲をそそるとともになんとも心地よく、生ゴミの臭いよりもずっとよかった。だから、もう、どうでもいい。
玩具もいつのまにか無くなっている。その優しい香りに包まれながら、少年は次第に意識を手放した。
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