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束の間の幸せ②
1人の昼食を終え、洗い物をしている最中、途端に体がほてり始めた。
アルはそれがヒートであることを理解する。いつも通り、自慰をしないと気が済まないような強いものではない。
問題はアランが帰ってきてからだ。
自分がどうなってしまうのかももちろんだが、ヒートのΩにあてられて、彼までどうにかなってしまわないだろうか。
これまで様々なαに侮蔑されながら抱かれてきたアルにとっては構わないことだが、アランにとってはそれが苦となるかもしれない。
…まあ、そんなこと考えたって仕方がないのだが。
アルはここ以外に居場所がないし、彼もまた、アルに異常な執着を見せる。2人は互いに運命の糸に惹かれあったかのようにぴったりと波長が合うのだ。
洗い物を終えると、そのままソファーに横になる。少し頭が痛む。
一眠りすれば良くなるだろうかとぼうっと考えながら、アルはゆっくりと目を閉じた。
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