俺が1番だろ?

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俺が1番だろ?

「意外だな。あんたもそんな目をするんだ?」 ヒカルの両手を束ねるように掴んで、ソファに押し倒した大乗。 大乗を強く睨むヒカルは、意志とは別に体を震わせていた。 「いつも怯えたような目しか見たことが無かったからな。新鮮だな」 「あなたを信用した私が浅はかでした」 唇も震え始めるヒカル。 「だから?」 「私、父に話します! あなたとは結婚しないって」 声を震わせながらも自分の意見を言い、ヒカルは自分の体を押さえつけている大乗を睨んだ。 「三億円のネックレスをもらっておいて? 婚約が駄目になるなんてことがあっても構わないと? 俺は男だから構わないが、女にしたら結構傷物扱いじゃないのか? いいの? あんたそれで」 ―――傷物。三億円のネックレスのせいで、世間に大々的に大乗さんと私は婚約者として名が表に出てしまった。世間を騒がせてから、すぐに破談したとなればある事ない事言われるだろう。 「あのディーラーの営業マンだって、あんたのこと今頃諦めてるよ」 「え?」 ヒカルの脳裏には小林の姿が浮かんでいた。 「自分が勤める会社の社長、タツダの娘なんて知って今までどおりでいられると思うか? 普通、無理だろ」 「そんな……」 「逆玉だって喜べるタイプか? 俺なら引くね。アノ男も引くタイプだと思うが」 ソファにヒカルを倒したままで、ニヤッと大乗は笑う。
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