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──ダークマター。
天文学的な現象を説明するために考え出された質量は持つが、光学的に直接観測できない仮説上の物質。
中学二年生・津田恭平は自室のベッドで『ダークマター』というワードの検索結果と睨めっこしている。30秒ほど、検索結果の一番上に表示されたダークマターの解説を理解しようと、持ち前の天然パーマが更にうねるぐらい考えてみた結果、よくわからない物質であるということがわかった彼は、ため息混じりにスマホをクッションに放り投げた。
仰向けの姿勢のまま、机の上を見やると、そこには握りこぶしぐらいの大きさの黒い箱が置かれていた。それは紙製のなんの変哲も無い箱であったが、上蓋に白いラベルが貼られており、そこにマジックでこう書かれていた。
──触るなキケン、中身はダークマター。
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