第2章

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『カフェラテ1つ。』 いつもはコーヒーを飲むのだが、こっちの時はなぜか甘い物が欲しくなる。 性格まで変わるのかと思った。 私は母親の死角になるように真裏の席に着いた。 テーブルは磨りガラスで囲われていて、ハッキリと顔までは確認出来そうになかったが、ある意味、安心して尾行が出来た。 テーブルにカフェラテが運ばれてきた頃、母親の席に人の気配がした。 『待った?』 少しドスの聞いた40代くらいの声が聞こえてきた。 『ううん。今来たところ。』 今まで聞いた事がないような甘ったるい声で母親が答えた。 私はカフェラテを吐き出しそうになった。 『なんとかなりそう?』 男が母親に親密そうに言った。 なぜかそのドスの聞いた低音ボイスに心地よさを感じてしまった。 母親も同じなのだろうかと思った。 『なんとかなると思う。息子も仕事してるし!』 ん?私? なんの話だ? 『とりあえず今月は10万あればなんとかなるから!』 『分かった。なんとかするね。』 『助かるよ。』 『この後は時間あるの?』 『ああ、ホテル行くくらいの時間はあるよ。』 『もう。』
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