第1章。

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『えっと、こんばんわ、、、』 僕は恐る恐る挨拶を返した。 老人は何も言わず僕に近づいて来た。 スーッと歩み寄るソレはやはり人間のものではないと思った。 『坊や、、、君にコレをあげよう。』 老人は懐からケースを取り出した。 それは上下に開く小さな箱だった。 まるで指輪のケースのようだった。 『そうじゃよ。指輪じゃよ。』 『え?』 『ふぇっふぇっふぇ。世の中、目に見えるものが全てじゃないんだよ。』 僕は怖がりながら質問をぶつけた。 『その指輪は何?怖いよ。』 『坊やの役に立つ物じゃよ。』 『つけたらどうなるの?』 『右手と左手で使い分けるんじゃよ。』 『右手と左手?』 『そうじゃ。坊やはお金が必要なんじゃろ。』 『必要だけど、、、指輪をつけるとお金がもらえるの?』 『ふぇっふぇっふぇ。それは坊や次第じゃ。幸運を祈るぞい。』 そう言うと老人はふわっと浮き上がり空へと消えて行った。 『なんだよこの夢、、、怖いなー、、、』 気がつくと僕はブースで横になっていた。
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