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「ばあちゃん?」
・・・・・まぶたがひくひくしている。
「もう~、死んだ真似はやめてよ!」
「ばれちゃったか?」
隙間だらけの歯を見せながら、ケタケタとばあちゃんが笑った。
「もう~、ばれちゃたかじゃないよ、冗談にならないから。。。」
ばあちゃんと、僕はほぼ二人暮らし。
父はほとんど家には帰らない。
母は5年前に家出した。
「ばあちゃんにケーキ買ってきたんだけど、自転車でこけちゃってさ、ごめんね。。」
「いいよ、いいよ。
お腹中に入ればいっしょだよ。
それよりけがはなかったかい。
おや、ひじから血が出てるじゃないか。」
ばあちゃんと二人でつぶれたケーキを山盛り食べた。
その日の夜、ばあちゃんの部屋から何か聞こえる。
部屋に入ると、ばあちゃんが苦しそうにうめき声をあげていた。
「ばあちゃん、大丈夫?」
大変だ救急車、救急車、僕はズボンのポケットから携帯を取り出して、救急車を呼ぼうとした。
「あっ」
携帯は無惨にもバキバキに割れていた。
あのときか!
どうしましょう。
かかりつけの医院まで走って10分。
ばあちゃん、待っててね。
僕は家を飛び出した。
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