第1話~囚われの少女~

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第1話~囚われの少女~

※オリジナル神話のため従来のものと違いがいくつかあります。ご理解お願いします。 むかーしむかしのお話です。 ただ広大な海しかなかった世界。 そこに太陽から生まれた2粒の光が降ってきました。 光の粒は海の中でゆらゆらと揺られるうちに太陽の光を浴び、光を集めて大きく、大きくなってゆきました。 ___それからどれくらいの時間が経ったのでしょうか。 100年に一度の太陽と月が重なり合う夜、大きくなった光の粒達は海を飛び出し天目がけてぐんぐんと登っていきます。 太陽と月が重なり合い黒と白の光が混じりあった瞬間…2つの粒は弾け男神と女神が生まれたのです。 男神には『イザナギ』と、女神には『イザナミ』という名を互いに与え合いました。 イザナギは月の白い光から神剣『凪雨』を、イザナミは太陽の黒い光から錫杖『光天芒』を作り出しました。 そして二人は考えました。 この何もない海に全ての生き物が幸せに暮らせる楽園のような場所を作ろう、そしてその場所を見守り続けようと。 二人は海の上に降り立ち、光天芒で海面を叩きました。すると、波が広がった場所は陸となり大きな島となりました。 島の中心、光天芒が叩いた場所には大きな大きな桜の木がはえ、美しい花を咲かせました。 次に、二人は島に降り注ぐ光にむかって凪雨を一振りしました。切られた光から生まれた光の粒達は島に降り注ぎ、真っ白な花を咲かせました。 花の真ん中に浮かぶ色とりどりの真珠玉、その一つ一つから神々が生まれました。 火の神や水の神、医療の神や我々人間を作った人の神… 光を浴びた桜の巨木の周りに舞う白い光達…そして生まれゆく神達… イザナギとイザナミは光から生まれた白き花を『雪月花』と名付け、奇跡の象徴としました。 2人が咲かせた桜の巨木は国に幸福を与える神樹となりました。 そうして、八百万の神達は生まれたのです。
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